元フラミンゴスのソウル・シンガー、トミー・ハントが91歳で死去

1990年にリリースされたフラミンゴスのベスト盤『Best Of The Flamingos 』(Rhino)、
後列中央がトミー・ハント。

商品情報 The Flamingos『Best Of』 Amazon CD(1990/5/10)輸入盤
ドゥーワップ・グループのフラミンゴス(The Flamingos)で活躍したR&B/ソウル・シンガーのトミー・ハント(Tommy Hunt)が2月12日、91歳で死去しました。

家族が訃報を伝えており、ハントは眠るように安らかに息を引き取ったそうです。
1933年にペンシルヴェニア州ピッツバーグで生まれたハントは、母親とシカゴに移住した後、アメリカ陸軍に入隊しましたが、死期が近づいた母に会うため無断で脱走し、刑務所に服役しました。

出所後、自身が結成したファイヴ・エコーズとしてナイトクラブで歌っていたところ、フラミンゴスに誘われ、ハントが加入したフラミンゴスは、1959年の大ヒット曲「I Only Have Eyes For You」をはじめ、数々のヒット曲を生み出しました。

ハントは、音楽性の違いから1961年にグループを脱退したものの、ソロとして脚光を浴び、同年ルーサー・ディクソンとタッグを組んだデビュー・シングル「Parade of Broken Hearts」をリリースしましたが、ラジオのDJが誤ってB面の「Human」をオンエアし、皮肉にもこの曲がハントの米国最大のヒット曲になりました。

翌1962年には、バート・バカラックとハル・デイヴィッドが共作した「I Just Don’t Know What to Do with Myself」(邦題「恋のとまどい」)を録音し、後にダスティ・スプリングフィールドとディオンヌ・ワーウィックによるカヴァー・ヴァージョンが大ヒットしたことで、同曲を最初に録音したアーティストとして歴史に名を残すことになりました。

また、マーヴィン・ゲイやジャッキー・ウィルソン、ダイアナ・ロス&ザ・スプリームスらと共にアポロシアターの常連としてステージに立ち、その後イギリスに渡ったハントは、70年代の英ノーザン・ソウル・シーンのヒーローとして、「Crackin’ Up」や「Loving on the Losing Side」などがヒットしました。

ハントは、ノーザン・ソウルの黄金期が終わった後もパフォーマンスを続け、アムステルダムを拠点に世界中でツアーを行ない、再びイギリスに戻り、ノーザン・ソウル復活の波に乗りました。

なお、ハントはリズム&ブルース財団の「生涯功労賞」を受賞し、2001年にはフラミンゴスのメンバーとして、「ロックの殿堂」入りを果しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
商品詳細
ザ・フラミンゴス
『The Flamingos Collection 1953-61』


Amazon CD(2017/11/3)輸入盤
商品詳細
Tommy Hunt
『I Just Don't Know What To Do With Myself』


Amazon Music( JUL 03 2009)¥1,600
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

バート・バカラック自伝 ザ・ルック・オブ・ラヴ

バート・バカラック自伝 ザ・ルック・オブ・ラヴ

3,080円
魔法の音楽 アメリカン・ポップス黄金時代とその舞台裏

魔法の音楽 アメリカン・ポップス黄金時代とその舞台裏

3,080円

ディスク・コレクション グルーヴィ・ソウル

1,980円
ディスク・コレクション ガール・ポップ

ディスク・コレクション ガール・ポップ

2,420円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ