異色のシンガー/ソングライター、ビル・フェイが81歳で死去

晩年にキャリアを復活させたカルト的人気を誇る英シンガー/ソングライター、ビル・フェイ(Bill Fay)が2月22日、81歳で死去しました。

彼のレーベル、デッド・オーシャンズが訃報を伝えており、死因は発表されていませんが、晩年はパーキンソン病を患っていたそうです。

「ビルは穏やかなジェントルマンで、時代を超えた賢者でした。内向的でしたが心が広く、非常に感動的で意味深い曲を書き、彼の曲はこれからもずっと人々の心に残るでしょう」

1943年に北ロンドンで生まれたフェイは、ウェールズの大学で電子工学を学び、ピアノとハーモニウムで作曲を始め、初期の作品がテリー・ヌーン(元ヴァン・モリソンのドラマー)の目に留まり、それを機にデッカ・レコード傘下のデラムと契約しました。

同レーベルから1970年にデビュー・アルバム『Bill Fay』、1971年にセカンド・アルバム『Time of the Last Persecution』をリリースしたものの、後者のアルバムが商業的に失敗し、レーベルから契約を打ち切られたフェイは、「私が音楽業界から離れたのではなく、音楽業界が私を見捨てたのです」と語り、その後何十年も新曲をリリースしませんでした。

その間、フェイは曲作りをしながら、グラウンドキーパーや魚屋、フルーツピッキングなどの仕事に就いていましたが、1998年にイギリスの小さなレーベルが最初の2枚のアルバムをリイシューし、彼の作品が再評価されました。

そして間もなく、フェイの音楽を発見したプロデューサーのジム・オルークが、ウィルコ2002年のアルバム『Yankee Hotel Foxtrot』のレコーディング・セッション中に、フェイの音楽をジェフ・トゥイーディーに聴かせ、フェイの音楽に魅了されたトゥイーディーは、フェイの「Be Not So Fearful」をウィルコのライヴでカヴァーするようになり、2007年と2010年には、フェイがウィルコのステージで同曲を演奏したこともありました。

それから数年後、プロデューサーのジョシュア・ヘンリーが、父親のレコード・コレクションからフェイのセカンド・アルバム『Time of the Last Persecution』を見つけ、フェイに連絡を取ったことにより、フェイはデッド・オーシャンズと契約し、3枚の新しいアルバム『Life is People』(2012年)、『Who Is the Sender?』(2015年)、『Countless Branches』(2020年)をリリースしました(2019年12月24日MLCニュース参照)。

デッド・オーシャンズによると、フェイは亡くなる1ヵ月前まで新曲に取り組んでいたそうです。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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