ブラジルの革新的作曲家、エルメート・パスコアールが89歳で死去

ジャズと伝統音楽を融合させた独創的な曲で知られるブラジルの革新的な作曲家、エルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)が9月13日、リオデジャネイロにて多臓器不全のため89歳で亡くなりました。
パスコアールは1936年にブラジル北東部アラゴアス州の寒村ラゴア・ダ・カノアで生まれ、幼い頃からタンバリンやフルート、ボタン・アコーディオンを演奏し、14歳の時にラジオ番組に出演したことを機に、プロのミュージシャンとして活動を始めました。

その後、1958年にリオデジャネイロに移り住み、ナイトクラブやラジオ・オーケストラで演奏する中、リオのジャズ・シーンに目覚め、ジャズと伝統的なフォーク・スタイルを融合させた彼の音楽は、ブラジルのジャズ界の大スターたちの注目を集めました。

1964年には、アイアート・モレイラ、ウンベルト・クレイベルと共にサンブラーザ・トリオ(Sambrasa Trio)を結成し、唯一のアルバム『Em Som Maior』をリリースした後、パスコアールはトリオ・ノーヴォ(Trio Novo)に加入、1967年にクアルテート・ノーヴォ(Quarteto Novo)に改名したグループは、ブラジル音楽史上における最重要インストゥルメンタル・グループになりました。

その後、マイルス・デイヴィス1971年のアルバム『Live-Evil』に参加したパスコアールは、演奏/作曲を手掛けたことで初めて国際的に注目を集め、デイヴィスはパスコアールを「世界で最も印象的なミュージシャン」と評していました。

70年代後半からは、主に自身が率いるグループで活動し、1979年のモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演しました。

なお、パスコアールは2,000曲以上のインスト曲を作曲し、80代になっても作曲、レコーディング、ミュージシャン・グループの指揮を続け、2022年のロンドン公演では、若い演奏家たちに演奏の限界に挑戦するよう促し、自身も激しいソロを披露していました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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