スライ・スリック&ウィックドのチャールズ・“スリック”・スティルが死去

スライ・スリック&ウィックドが1977年にジュパー・レコードからリリースしたセルフ・タイトル・アルバム。スリーヴ裏側のメンバー写真、中央がチャールズ・“スリック”・スティル。
70年代に活躍した米R&Bバンド、スライ・スリック&ウィックド(Sly, Slick & Wicked)のチャールズ・“スリック”・スティル(Charles “Slick” Still)が、10月2日に死去しました。

スリックの訃報は、バンド仲間のジョン・“スライ”・ウィルソンが伝えていますが、死因などの詳細は発表されていません。

「本当に辛く、心が引き裂かれる思いです。彼は生涯にわたる大切なブラザーであり、パートナーでした。彼と私、そしてマーク・“ウィックド”・サクストンは、音楽の王朝と伝説を築き上げました。チャールズ・“スリック”・スティルは、先祖の一人になりました。私たちが築き上げてきたものは、永遠に生き続けるでしょう。彼がいなくなって本当に寂しいです。あの世でまた会いましょう」
1970年にオハイオ州クリーヴランドで結成されたスライ・スリック&ウィックド(SSW)は、1971年にパラマウントからリリースしたシングル「Stay My Love」が、R&Bチャートでトップ10入りを果たす初ヒットになり、それを機にジェイムズ・ブラウンのピープル・レコードと契約し、ブラウンがプロデュースしたシングル「Sho’ Nuff」がヒットしたことで、当時の人気ダンス音楽番組「ソウル・トレイン」に出演しました。なお、この曲は後に、ジャスティン・ティンバーレイク2013年の「Suit and Tie」や、J・コールの「Chaining Day」でサンプリングされています。

その後、1976年にモータウンと契約したバンドは、翌1977年にデトロイトの「Ju-Par」レーベルからデビュー・アルバム『Sly, Slick & Wicked』をリリースし、70年代を通じて多くのソウル界の巨匠たちとツアーを行ない、有名な「クール・ジャズ・フェスティバル」にも出演しました。

SSWは長年にわたり数々の賞を受賞しており、2003年にはモータウン博物館から「The Men of Motown」賞を受賞、「モータウン同窓会の殿堂」(Motown Alumni Association Hall of Fame)入りを果たし、2013年には「リズム&ブルースの殿堂」入りを果たしました。

また2014年には、バンド初期のバックアップ・ミュージシャン/サック奏者だったモーリス・リーダス・ジュニアのドキュメンタリー映画『Sax Man』に出演し、ここ数年は、ジョン・“スライ”・ウィルソン、チャールズ・“スリック”・スティル、そしてレオ・“ウィキッド”・グリーンからなるSSWとして演奏を続けていました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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