ブラジリアン・ポピュラー音楽のレジェンド、ロー・ボルジェスが73歳で死去

ブラジルのポピュラー音楽(MPB)のレジェンドで、シンガー/ソングライター/ギタリストのロー・ボルジェス(Lô Borges)が11月2日、73歳で死去しました。

ブラジルのメディアによると、ボルジェスは薬物中毒で17日間入院した後、多臓器不全で亡くなったそうです。
ボルジェス(本名サロマォン・ボルヘス・フィーリョ)は1952年、ブラジルのミナスジェライス州ベロオリゾンテで11人兄弟の6番目として生まれ、10代の頃から兄マルシオと共に地元の街角に集まる音楽グループに加わりました。

彼らは後に「Clube Da Esquina(街角クラブ)」として知られるようになり、60年代にブラジル音楽の主流だったMPBとジャズ、サイケデリック・ロック、ビートルズのバロック・ポップを融合させた音楽を演奏し、このグループには、ボルジェスより10歳ほど年上で、1965年の「第1回MPBフェスティバル」への出演を機に国際的スターへと成長したミルトン・ナシメントがいました。

ボルジェス兄弟は、ナシメント1970年のアルバム『Milton』に収録された「Para Lennon e McCartney」や「Clube da Esquina」「Alunar」を共作し、このアルバムは、70年代のミナスジェライスの音楽シーンにおいて最も重要なアルバムの一つとされました。

続いて兄弟は、ナシメントが1972年に発表した名盤『Clube da Esquina』にも参加し、同作はロー・ボルジェスとナシメントの共同名義でリリースされ、ブラジル音楽史において最も影響力のある作品として高く評価されました。

またローは、1972年に初ソロ・アルバム『Lô Borges』もリリースし、同作で成功を収めたものの、新作を要求するレーベルに圧倒され、それから数年間は活動を休止していました。

その後、ナシメント1978年のアルバム『Clube da Esquina 2』に参加したことで復活し、1979年にセカンド・ソロ・アルバム『A Via-Láctea』をリリースしたローは、80年代から90年代にかけて更に4枚のアルバムを発表し、2003年には、ブラジルのスカパンク・バンド、スカンク(Skank)のために共作した「Dois Rios」がヒットして再注目されました。

2016年には、サムエル・ホーザとのライヴ・アルバム『Ao vivo no Cine Theatro Brasil』をリリースし、2023年に最新ソロ・アルバム『Não Me Espere na Estação』をリリースしましたが、これが最後の作品になりました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。

・訃報を伝えるTVニュース
Lô Borges, um dos fundadores do Clube da Esquina, morre aos 73 anos em Belo Horizonte
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