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【新刊セルフ・ライナーノーツ】

『クラシック「変化球」音盤ガイド』by 鈴木淳史

連載「新刊セルフ・ライナーノーツ」、第八回の今回取り上げるのはクラシック音楽のディスクガイド。お出ましいただいたのは『クラシック「変化球」音盤ガイド』を著した鈴木淳史氏です。本書はタワーレコード渋谷店クラシック・フロアの、氏が執筆する名物選盤企画コーナー「鈴木淳史の悩殺10盤勝負」を書籍化したもの。埋もれてきた作品たちを再び俎上に戻し、見過ごされ、聞き過ごされてきたその魅力を解説。しかもクラシックだからと何もしゃちほこばって堅苦しく聞く必要はないわけで。以下の文章をお読みいただければ、本書がますます気になってくるはず!

【鈴木淳史 プロフィール】

1970年、山形県寒河江市生まれ。雑文家・音楽批評。 日本経済新聞(名作コンシェルジュ)、朝日新聞(for your Collection)、レコード芸術ONLINE、音楽之友社WebマガジンONTOMO、モーストリー・クラシック、ぶらあぼ、intoxicateなどにディスク評などを寄稿。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』(以上、洋泉社)、『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)、『クラシック異端審問』(アルファベータ)、『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか多数。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。

【新刊セルフ・ライナーノーツ】

『クラシック「変化球」音盤ガイド』by 鈴木淳史

クラシック「変化球」音盤ガイド
■この本を書こうと思ったきっかけは?
「それは祟りじゃ、供養のためには、毎月10枚
そうした隠れた魅力をもつディスクについてコメントを書け!」
クラシック音楽のCDには、アイテム数が多いためか、まったく話題になることもなく消えていくアルバムも少なくない。そんな不遇なディスクたちが亡霊のごとく夢枕に立ち、実はイケてる俺たちをなんとかしろと、わしわしと小突く。この話をタワーレコードの偉い人にしたところ、それは祟りじゃ、供養のためには、毎月10枚そうした隠れた魅力をもつディスクについてコメントを書けとのお達し。それらをまとめたのが本書と相成った。
クラシック「変化球」音盤ガイド
■実際に作り始めてみると
「ギャホー。でも裸足は危ないわね」
書き進めるうち、昔の演奏家が奏でるものには狂気が満ちあふれていたなあとしみじみ思った。現代の演奏家は、よりナチュラルに音楽に取り組んでいるから、その音楽の底に眠る狂気を見いだすには、聴き手のほうがそれを掘り起こさなければならぬ。そのためには我々には常軌を逸する心構えも必要だ。夜中にギャホーと叫んだ俺は、ほとんど衣服もまとわぬまま往来へ飛び出し、でも裸足は危ないわねと玄関戻りてサンダル履く刹那こそ悲しけれ。
クラシック「変化球」音盤ガイド
■アーティストとの個人的な思い出
すばらしい技巧と感性で
フルートを吹いているはずの才人がもしも……
現在もっとも世界で知られている名フルート奏者は、わたしとまったく同じ日に生まれている。もしも2人が産声をあげた産院が一緒で、そこで新生児取り違えがあったとしたら、世界を舞台にすばらしい技巧と感性でもってフルートを吹いているはずの才人が、東京の片隅で貧苦のあまり泡を吹いたりする世界線だってあったかもしれぬと思うと、頭がクラクラして、つい「生まれてすみません」などというベタな文言を漏らしてしまうのだった。
クラシック「変化球」音盤ガイド
■大好きなアーティスト、思い入れが強いアーティスト
中途半端にアチャラカパーな人生を送ってきた自分に足りぬもの
恐ろしく律儀で、楽譜の指示にめっちゃ忠実で、などという演奏は、さも真面目でつまらなそうと思われるかもしれないが、それも度が過ぎちゃうと、ヤバい、とち狂ってる、などという領域に足を踏み入れるわけで、そういう演奏がわたしは好きだ。中途半端にアチャラカパーな人生を送ってきた自分に足りぬものとして、憧れを覚えるのだろう。とりわけドイツの指揮者、ハンス・ロスバウトの容赦なき明晰さに麻薬的に依存する日々を送る。

─────────────

著者の鈴木淳史氏は、「埋もれさせておくには勿体ない作品に、再び光をあてる」という崇高な理念の下、深夜にギャホーと叫び声をあげながら本書をこうして世に問うている、と。下記、目次テキストの章タイトルを見るだけでも興味深さは増していくはず。ということで、はてさてどんな変化球音盤が取り上げられ、どんな風に解説されているか、それは読んでのお楽しみー。ぜひご一読ください!

『クラシック「変化球」音盤ガイド』

クラシック「変化球」音盤ガイド

1,980円

著者:鈴木淳史
目次
第1章 爆演?奇演? 孤高の鬼才演奏家たち
第2章 原曲より面白い「編曲モノ」
第3章 コンセプト・アルバムの面白さ
第4章 新・越境音楽の世界
第5章 名曲発掘!こんないい曲、埋もれているのはもったいない
第6章 古楽復興から新しい古楽へ
第7章 楽しすぎる現代音楽!
第8章 「巨匠」指揮者の奥深き世界
第9章 21世紀の指揮者とオーケストラ
第10章 ソリストの妙技
第11章 際どい表現力で聴く名曲
第12章 いつもと違う風景を見せてくれる演奏家たち

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MUSIC・2026.01.22
2/20発売 型破りなクラシック音楽ディスク・ガイド〜『クラシック「変化球」音盤ガイド』
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