在日外国人タレント/ミュージシャンのパイオニア、アラン・メリルが新型コロナ感染症により69歳で死去
米シンガー/ソングライターでロック・ミュージシャン/俳優/モデルでもあったアラン・メリル(Alan Merrill)が3月29日、新型コロナウイルスの感染症により入院先の病院で亡くなりました。享年69。アランの訃報は、娘のローラがSNSで発表しています。
アランは、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツがカヴァーしたジ・アローズ(The Arrows)1975年の「I Love Rock ‘n’ Roll」を共同作詞作曲したことで知られ、日本では1969年に渡辺プロダクションと契約し、ミュージシャンやモデルとして活躍したほか、俳優としてTVドラマにも出演していました。
アトランティックからリリースしたシングル「Namida(涙)」がヒットしたことで、日本で初めて成功した外国人ポップ・スターとなり、TBSドラマ『時間ですよ』にゲスト出演し、朝の番組『ヤング720』にはレギュラーで出演するようになり、日産の広告やアンアンなどのモデルとしても活躍しました。
また、1971年にはミッキー・カーチスがプロデュースしたアルバム『Merrill 1』をリリースし、後に日本のトップ・グラム・ロック・バンドとなったウォッカ・コリンズ(Vodka Collins)を結成しました。このバンドには、かまやつひろしや大口広司らが参加し、1974年に東芝EMIからアルバム『Tokyo – New York』をリリースしています。

ウォッカ・コリンズ
『東京-ニューヨーク』
MP3(1973/11/5)¥1,530
その後、イギリスに拠点を移したアランは、1974年にロンドンでジ・アローズを結成。同年発表したシングル「Touch Too Much」がUKチャートのトップ10入りを果たし、イギリスでも10代に人気のバンドとなりました。
またメリルは、コージー・パウウェル1974年のヒット・シングル「The Man In Black」にもベーシストとして参加、この作品はUKチャートの第18位を記録しています。
メリルとバンド仲間のジェイク・フッカーが作詞作曲したアローズ1975年の「I Love Rock ‘n’ Roll」は、当初シングル「Broken Down Heart」のB面曲としてリリースされましたが、この曲をTV番組で生演奏した時にプロデューサーの目に留まり、それを機にベイ・シティ・ローラーズの後任としてTVシリーズ『シャングリラ』にレギュラー出演するようになりました。
ジ・アローズは1977年に解散しましたが、1982年にジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツが「I Love Rock ‘n’ Roll」のカヴァーをリリースし、7週間にわたり米ビルボード・チャートの第1位に輝いています。
メリルはアローズ解散後にアメリカへ戻り、80年代からはリック・デリンジャーやスティーヴ・ウィンウッド、ミート・ローフらのアルバムやツアーに参加し、1990年にはウォッカ・コリンズの再結成ツアーが日本で行なわれ、1974年のデビュー・アルバム『Tokyo – New York』は度々リイシューされています。
また最近では、2016年にブルース・バウアーと日本語でデュエットした「Hello Japan」をリリースし、2017年にはソロ・アルバム『On A Blue Avenue』を発表、TVシリーズ『Across the Pond』のホスト役を務め、同名のテーマ曲を2018年にリリースしたほか、昨年もシングル「Your Love Song」やアルバム『Radio Zero』をリリースしたばかりでした。
今年の3月には、現在のバンド「アラン・メリル・エクストラヴァガンザ(Alan Merrill Extravaganza)」で公演も行なっていた矢先の出来事でした。
安らかなる眠りをお祈りいたします。
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