ベテラン音楽プロデューサーのハル・ウィルナー、新型コロナウイルスにより64歳で死去

トリビュート・アルバムの制作や、米テレビ番組『サタデー・ナイト・ライヴ』の音楽監修で知られるベテラン音楽プロデューサーのハル・ウィルナー（Hal Wilner）が4月6日（一部報道では7日）、新型コロナウイルスの合併症により64歳で死去しました。

ウィルナーは、3月28日に自身のツイッターでウイルスに感染したことをほのめかし、最後の投稿となった3月30日のツイッターでは、同じく新型コロナウイルスで闘病中だったジョン・プラインにお見舞いのメッセージを送っていました（プラインはその後残念ながら他界。詳しくは4月8日MLCニュース参照）。

ウィルナーが初めて手掛けた作品は、1981年にリリースされたニーノ・ロータのトリビュート・アルバム『Amarcord Nino Rota』で、ウィントンとブランフォードのマルサリス兄弟やデボラ・ハリー、ビル・フリゼールなど様々なジャンルのアーティストが参加しました。また、長年ルー・リードやマリアンヌ・フェイスフル、ローリー・アンダーソンらの作品をプロデュースしたほか、エルヴィス・コステロ、ドクター・ジョン、レナード・コーエンらのトリビュート・アルバムも制作しています。

中でも、1988年に手掛けたトリビュート・アルバム『Stay Awake : Various Interpretations of Music from Vintage Disney Films』では、マイケル・スタイプやサン・ラ、ボニー・レイット、トム・ウェイツ、リンゴ・スターといった幅広いジャンルのアーティストらがディズニー映画の楽曲をレコーディングし、この作品も高い評価を得ました。

最近では、マーク・ボランとT・レックスへのトリビュート・アルバムをプロデュースし、U2やジョーン・ジェット、ニック・ケイヴらが参加しましたが、このアルバムはまだリリースされていません

また、映画『Finding Forester（邦題：小説家を見つけたら）』や『Gangs of New York（ギャング・オブ・ニューヨーク）』『Talladega Nights（邦題：タラデガ・ナイトオーバルの狼）』のスコアリングも手掛けています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。