初期のビートルズを撮影した女性写真家のアストリッド・キルヒャーが死去

初期のビートルズを撮影したドイツ人女性写真家のアストリッド・キルヒャー（Astrid Kirchherr）が5月13日、ドイツのハンブルグで亡くなりました。享年81。はっきりとした死因は公表されていませんが、ドイツの新聞『Die Zeit（ディー・ツァイト）』によると、短い期間でしたが重病を患っていたそうです。

ビートルズの歴史家で知られるマーク・ルーイソンもツイッターで訃報を伝え、彼女について「聡明で人にインスピレーションを与え、革新的で大胆不敵、芸術的、意識的で美しく、頭が切れ、愛情深く、人の気持ちを高める人物だった」と述べています。

ハンブルク生まれのキルヒャーは、美術学校で写真を学んでいた1960年、ハンブルクのクラブで演奏していたビートルズと出会い、友人関係になったビートルズの写真を撮影することになりました。後にジョージ・ハリスンも『Hamburg Days』という本の中で、それがバンド初のフォト・セッションだったと語っています。

その出会いの中で、当時ビートルズのベーシストだったスチュアート・サトクリフとは婚約するまでの関係に発展しましたが、サトクリフはキルヒャーの家族と同居していた1962年に亡くなってしまいました。

それでもバンドとの交友関係は続き、1964年にビートルズが映画『A Hard Days Night』を撮影していた際に、キルヒャーは彼らの姿を公私にわたり撮影しています。また、当時のビートルズを象徴するマッシュルームカットを発案したのも彼女だったと言われています。

彼女の訃報を受け、リンゴ・スターやジョージ・ハリスンの妻オリヴィアが追悼メッセージを発表しています。