ヴァニラ・ファッジやカクタスの共同創始者、ベーシストのティム・ボガートが76歳で死去

ジェフ・ベック（左）、カーマイン・アピス（後ろ）らとともにベック、ボガート＆アピスを結成、1973年5月に来日。『ミュージック・ライフ』7月号の表紙を飾る。

米ロック・バンドのヴァニラ・ファッジ、カクタス、スーパーグループのベック・ボガート＆アピスなどで活躍したブルース・ロックのベーシストでシンガー／ソングライターのティム・ボガート（Tim Bogert）が1月13日、ガンのため76歳で他界しました。

上記の3バンドで共に活躍したドラマーのカーマイン・アピスが、Facebookで訃報を伝えています。

「真の友人ティム・ボガートが今日亡くなった。彼は僕にとって兄弟のような存在で、50年以上にわたり友人だった。ティムは唯一無二のベーシストで、世界中の多くのベーシストにインスピレーションを与え、グルーヴと同じくらいシュレッディングが上手かった。ロックのベース・プレイに新しいレベルの高度な技術を取り入れ、彼のように演奏した人など皆無だった。彼がベース・ソロを演奏するたびに観客が熱狂し、毎晩異なるソロを演奏していた。彼は60年代を代表する伝説的ベーシストの最後の一人だった」

Vanilla Fudge「You Keep Me Hanging On」
（Atlantic）1968年

オーストラリア盤、3曲入りEP。右端がティム・ボガート。

ボガートは1944年にニューヨーク・シティで生まれ、1965年からバンド活動を始めました。地元バンドで活動していたボガートとマーク・スタインにヴィンス・マーテルとカーマイン・アピスが加わり、1967年にヴァニラ・ファッジとしてレコード・デビューを果たしました。バンドは1969年までに5枚のアルバムを発表しましたが、1970年に解散し、同年ボガートはアピスと共にカクタスを結成。1972年にカクタスが解散した後、二人はジェフ・ベックと共にベック・ボガート＆アピスを結成し、1974年まで活動していました。

その後ボガートは、ボブ・ウィアー（グレイトフル・デッド）のサイド・プロジェクト、ボビー＆ザ・ミッドナイツのツアーに参加し、UKグループのボクサーが発表した1977年のアルバムで3曲を共作したほか、1981年にはリック・デリンジャーのツアーに参加し、2000年にはボガートとアピス、デリンジャーの3人でDBAというパワー・トリオを結成しました。

2010年には、オートバイ事故によりツアーからの引退を余儀なくされましたが、2013年にハード・ロックのスーパーグループ、ハリウッド・モンスターズにアピスやドン・エイリーらと参加し、2014年にデビュー・アルバム『Big Trouble』をリリースするなど、活動を続けていました。

ポール・スタンレー（KISS）、ビリー・シーン（Mr. Big）他、多数のミュージシャンも追悼の言葉をSNSに投稿しています。それらをまとめた海外の記事もご覧ください。

・blabbermouth.net

安らかなる眠りをお祈りいたします。