ハムのドラマー、ブライアン・セント・ペレが52歳で死去

1989年にイリノイ州で結成されたオルタナティヴ・ロック・バンド、ハム(Hum)のドラマーを務めていたブライアン・セント・ペレ(Bryan St. Pere)が6月29日(一部メディアでは7月1日と報じるところも)、52歳の若さで急逝しました。
バンド仲間のジェフ・ディンプシーとマット・タルボット、ティム・ラッシュが連名で訃報を伝えていますが、死因は公表されていません。
「我々の愛すべき友人でバンド仲間のブライアン・セント・ペレが他界したことをお知らせすることになり、涙が止まらず悲嘆に暮れています。彼の死は突然で思いもよらず、深い悲しみで精神的に打ちのめされています。ブライアンは親愛なる友人で、子煩悩な父親、兄弟であり、素晴らしい人柄のミュージシャンでした。彼と時空間を共有できた我々は本当に幸運だったと感じています。ブライアンと関係があった方々全員に平和と愛をお祈りします。今後、彼と会えなくなったことを心から寂しく思うことでしょう」

セント・ペレは、子供の頃からラッシュのニール・パートのパフォーマンス・スタイルに憧れ、ドラム演奏を始めました。イリノイ大学で生物学を学んでいた1990年、自宅でラッシュの曲に合わせてドラムを演奏していたところ、自宅前を通りがかった創設メンバーのマット・タルボットらの耳に留まり、それを機にハムに加入しました。

バンドは1991年にデビュー・アルバム『Fillet Show』を発表した後、1995年にメジャー・レーベルのRCAから初めてリリースしたアルバム『You’d Prefer an Astronaut』のセカンド・シングル「Stars」がヒットしたことでブレイクし、「Stars」はビルボードの「Hot Modern Rock Tracks」チャートで第11位を記録、アルバム『You’d Prefer an Astronaut』は25万枚以上を売り上げました。

続いて1998年にリリースしたアルバム『Downward Is Heavenward』も高く評価されましたが、2年後の2000年にRCAとの契約が打ち切られ、ツアー中の自動車事故などを機にバンドは同年解散しました。

その後、セント・ペレはヘルスケア業界で仕事をしつつ、折に触れてバンドのリユニオン・コンサートやツアーで演奏を続け、そして昨年、ハムが22年ぶりにリリースしたカムバック・アルバム『Inlet』にも参加していました。


同アルバムは、音楽ニュースサイト「Consequence Sound」の「Top 30 Metal + Hard Rock Albums of 2020」で第11位に選ばれるなど高く評価され(Top 30 Metal + Hard Rock Albums of 2020)、ハムは見事に復活を遂げたばかりでしたが、セント・ペレが参加した最後のアルバムになってしまいました。同サイトでの彼の死を伝えるニュースでは、多くの友人ミュージシャンによる追悼のメッセージがまとめられています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
HUM - Stars
Hum - I'd Like Your Hair Long [7-30-95]
Waves
商品詳細
Sleater-Kinney
『The Hot Rock』
(Remastered)


MP3(1999/2/23)¥1,500
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

USオルタナティヴ・ロック 1978-1999

USオルタナティヴ・ロック 1978-1999

1,980円
ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984

ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984

3,850円

ディスク・ガイド・シリーズ #029 パンク USエディション

2,200円
アメリカン・ミュージック・トレイル~ロサンゼルスからシアトルまで

アメリカン・ミュージック・トレイル~ロサンゼルスからシアトルまで

2,420円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ