米ヴォーカル・グループ、ザ・トーケンズのフィリップ・マーゴが79歳で死去

トーケンズのフェイスブック・ページより。右から二人目がフィリップ・マーゴ。


1961年のヒット曲「The Lion Sleeps Tonight」(邦題「ライオンは寝ている」)で知られる米ドゥーワップ・ヴォーカル・グループ、ザ・トーケンズ(The Tokens)のフィリップ・マーゴ(Philip Margo)が11月13日、79歳で死去しました。

トーケンズのフェイスブックで訃報が伝えられていますが、死因は発表されていません。
The Lion Sleeps Tonight (Remastered)
トーケンズは本来、1955年にオリジナル・メンバーのニール・セダカとシンシア・ゾロティン、ハンク・メドレス、エディ・ラプキンが「リンク・トーンズ(Linc-Tones)」として結成したグループで、1956年にラプキンが脱退し、後任としてジェイ・シーゲルが加入しましたが、ゾロティンが1957年に脱退しました。

バンドは一時的にトーケンズ&ザ・コインズとして活動した時期もありましたが、ニール・セダカが1958年に脱退し、1960年にフィリップとミッチのマーゴ兄弟が加入したことで、新生トーケンズが結成されました。

フィリップは、1942年にニューヨークのブルックリンで生まれ、マーゴ兄弟がトーケンズに加入したのはフィリップが18歳、ミッチがわずか14歳の時でした。
トーケンズは1961年のシングル「Tonight I Fell In Love」が全米チャートの第15位にラインクインし、続いてリリースしたソロモン・リンダのカヴァー曲「The Lion Sleeps Tonight」が、全米チャートで3週間にわたり第1位を記録。この2曲は、100万枚以上も売り上げ、ゴールド・ディスクに認定されています。

トーケンズは、その他にも1964年のカヴァー曲「He’s in Town」や、1966年の「I Hear Trumpets Blow」、1967年の「Portrait of My Love」など、およそ20曲がチャート入りを果たしましたが、1961年の2曲ほど成功しませんでした。

その後、1973年にメドレスが脱退し、マーゴ兄弟とシーゲルはサイド・プロジェクトとしてフォーク・ロック・バンドのクロス・カントリーを結成、同年にアルバム『Cross Country』をリリースし、ウィルソン・ピケットのカヴァー曲「In the Midnight Hour」がヒットしたものの、このバンドは翌1974年に解散しました。

またマーゴ兄弟は、新メンバーのジェイ・レスリー、マイク・ジョンソン、ノア・マーゴ(フィリップの息子)とマーゴ・ブラザーズ・トーケンズ(The Margo Brothers’ Tokens)を結成し、ゲスト参加したミッチの息子アリとダミアンと共にパフォーマンスを続けていましたが、2017年にミッチ・マーゴが70歳で他界しました。

なお、トーケンズは2004年、「ヴォーカル・グループの殿堂」入りを果たしています。

また、フィリップ・マーゴは作家としても活動し、2010年にSF小説『The Null Quotient』を出版しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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