パーラメント／ファンカデリックのオリジナル・シンガー、ファジー・ハスキンズが81歳で死去

パーラメント／ファンカデリックのオリジナル・シンガー、クラレンス・“ファジー”・ハスキンズ（Clarence “Fuzzy” Haskins）が3月17日、81歳で死去しました。

死因は発表されていませんが、ハスキンズは2022年に重度の脳卒中を発症していました。

ジョージ・クリントンとブーツィー・コリンズがSNSで訃報を伝えており、コリンズは次のように綴っています。

「クラレンス・ファジー・ホスキンズのご家族と友人に心からお悔やみを申し上げます。我々は今日、彼の周波数を失いました。彼は、“ロックの殿堂” 入りを果たしたパーラメント／ファンカデリックのオリジナル・メンバーでした。友人、バンド仲間であり、ソウル・ブラザーだったあなたがいなくなり、寂しくなります。若造時代の僕を指導して下さり、感謝しています」

1941年にウェストヴァージニア州で生まれたホスキンズは、50年代からジョージ・クリントンが結成したドゥー・ワップ・グループ、ザ・パーラメンツでリード・シンガーを務め、グループは1967年のシングル「（I Wanna）Testify」が初ヒットになりました。

ザ・パーラメンツのシンガー5人は、同じくクリントンが結成したバック・バンドのファンカデリックとツアーを行なっていましたが、グループ名を巡る契約上の問題により、1968年から「ファンカデリック」として活動し、1970年にデビュー・アルバム『Funkadelic』を発表。その後、クリントンが「ザ・パーラメンツ」の名前の権利を取り戻し、「パーラメント」としても活動し始めました。

ホスキンズは、グループが70年代初頭にファンクのパイオニアに変容した際、シンガーのみならずソングライターとしても重要な役割を担い、70年代後半からソロ・キャリアもスタートさせ、1977年にグループを脱退しました。

1976年には、Pファンクのメンバーがバックを務めた初ソロ・アルバム『A Whole Nother Thing』を発表し、2年後のセカンド・アルバム『Radio Active』にも同メンバーが参加しましたが、どちらのアルバムも成功には至りませんでした。

80年代には、他の元Pファンクのメンバーらと、新たなファンク・バンド「ファンカデリック」を結成し、90年代にパーラメントのオリジナル・メンバー4人から成る「オリジナルP」（Original P）とツアーを行なった後、最終的には教会の牧師になり、折に触れてゴスペル音楽をリリースしていました。

ホスキンズは、ファンカデリックの「I Got a Thing, You Got a Thing, Everybody's Got a Thing」や「I Wanna Know If It’s Good to You」など多数の曲にソングライターとしてクレジットされ、1997年に「ロックの殿堂」入りを果たし、2019年にはグラミー賞の生涯功労賞を受賞しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。