伝説的R&Bシンガー、ロバータ・フラックが88歳で死去

(Atlantic:1971)
代理人が訃報を伝えており、死因は発表されていませんが、フラックは2022年からALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘っていました(2022年11月15日MLCニュース)。

1937年にノースカロライナ州ブラックマウンテンの音楽一家に生まれたフラックは、ヴァージニア州アーリントンで育ち、9歳でピアノを弾き始め、15歳でワシントンD.C.のハワード大学に奨学金で入学しました。
大学卒業後、ワシントンD.C.で音楽を教えながらナイトクラブで歌い、オペラ歌手のピアノ伴奏などをしていましたが、1968年にジャズ・ピアニストのレス・マッキャンの紹介でアトランティック・レコードと契約し、1969年にデビュー・アルバム『First Take』をリリースしました。
その後、アルバム収録曲の「The First Time Ever I Saw Your Face」(邦題「愛は面影の中に」)が、1971年に公開されたクリント・イーストウッド初監督の映画『恐怖のメロディ』(原題『Play Misty for Me』)に起用され、1972年に全米No,1ヒットになった同曲は、グラミー賞の「最優秀レコード賞」と「最優秀楽曲賞」を受賞しました。
また、1972年からソウル・レジェンドのダニー・ハサウェイとコラボしたフラックは、グラミー受賞曲の「Where Is the Love」(邦題「恋人は何処に」)や、ゴールド・シングル「The Closer I Get to You」(邦題「私の気持ち」)などをレコーディングし、1979年にハサウェイが亡くなるまで一緒に仕事をしていました。
1973年のアルバム『Killing Me Softly』では、タイトル曲が2度目のNo.1ヒットを記録し、翌年のグラミー賞で「最優秀レコード賞」「最優秀楽曲賞」「最優秀女性ポップ・パフォーマンス賞」を受賞。1974年の「Feel Like Makin’ Love」(邦題「愛のためいき」)も全米No.1に輝きましたが、この曲が最後のNo.1ヒットになりました。
2012年には、ビートルズのカヴァー・アルバム『Let It Be Roberta』をリリースしましたが、これが最後のスタジオ・アルバムとなり、最後のシングル「Running」をリリースした2018年、アポロシアターで開催したチャリティ・コンサートの最中に体調不良のためステージを降り、病院に搬送されていました。
なお、フラックは2020年、グラミー賞の「特別功労賞生涯業績賞」を受賞しています(2019年12月20日MLCニュース)。
安らかなる眠りをお祈りいたします。


ロバータ・フラック
『やさしく歌って』
・Amazon Music(AUG 01 1973)
・Amazon CD(2013/4/24)

ロバータ・フラック
『ファースト・テイク』
・Amazon Music(JUN 20 1969)
・Amazon CD(2013/3/20)

ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ
『ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ』
・Amazon Music(MAY 06 1972)
・Amazon CD(2013/3/20)¥914

ロバータ・フラック
『The Very Best of Roberta Flack』
Amazon Music(FEB 07 2006)
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