ブルーワー&シップレイのトム・シップレイが84歳で死去

ブルーワー&シップレイ『Shake off the Demon』(Kama Sutra:1971)商品情報 Amazon Music(NOV 01 1971)
左からマイケル・ブルーワー、トム・シップレイ。

米フォーク・ロック・デュオ、ブルーワー&シップレイ(Brewer & Shipley)のトム・シップレイ(Tom Shipley)が8月24日、ミズーリ州コロンビアの病院にて84歳で死去しました。

シップレイの訃報は、9月3日に彼のフェイスブック・ページで伝えらえれていますが、死因などは発表されておらず、相方のマイケル・ブルーワーは、昨年12月に80歳で他界しています(2024年12月19日MLCニュース)。
1941年にオハイオ州ヤングスタウンに生まれたシップレイは、初期のロックンロールを聴きながら育ち、高校時代はトランペットを演奏していましたが、ピート・シーガーを聴いてフォーク・ミュージックに魅了され、ギターに転向しました。大学時代は、ビートニク系のコーヒーハウスで “オープンマイク” のパフォーマンスを行ない、大学卒業後は、アメリカのフォーク・サーキットで演奏していました。

3歳年下のブルーワーとは、1964年にオハイオ州ケントのブラインド・アウル・コーヒーハウスで出会いましたが、音楽パートナーになったのは1968年になってからで、複雑なギターワークとヴォーカル・ハーモニー、ヴェトナム戦争など社会情勢を意識した歌詞で知られたブルーワー&シップレイは、1970年のサード・アルバム『Tarkio』からリリースしたシングル「One Toke Over the Line」がトップ10ヒットになり、TV番組でパフォーマンスも披露していました。

また、同アルバムに収録された「Tarkio Road」や、1971年の「Shake Off the Demon」もチャート入りを果たし、スティーヴン・スティルやブルース・スプリングスティーン、ブラック・サバス、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアらと共演しました。

しかしながら、1980年にお互いのソロ活動に専念するためグループとしての活動を停止し、TVプロデューサー/ディレクターとして活動を始めたトムは、結果的に自身のプロダクション会社を設立した後、ミズーリ州オザークについてのドキュメンタリーを制作するNPO団体を設立しました。

その後、1987年にミズーリ州カンザスシティのラジオ局から依頼され、同局の1周年記念コンサートで再結成した二人は、それを機に再び共作活動を開始し、1993年と1997年に2枚のアルバム『Shanghai』と『Heartland』をリリースし、2011年には、ミズーリ州でアルバム『Tarkio』の40周年を記念したアコースティック・ライヴを開催しました。

二人は、新型コロナのパンデミックが起こる2020年までライヴ活動を続けていましたが、マイケルが2024年に他界し、ミズーリ工科大学のスタッフでもあったトムは、大学のためにビデオ制作を続けていました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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ブルーワー&シップレイ
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