ビートルズ「Twist and Shout」EPスリーヴ写真の写真家、フィオナ・アダムスが84歳で死去

ビートルズやボブ・ディラン、ジミ・ヘンドリックス、デヴィッド・ボウイ、ローリング・ストーンズらの写真家で知られるフィオナ・アダムス（Fiona Adams）が6月26日、膵臓ガンのためガーンジー島のホスピスで亡くなりました。享年84。

イギリス海峡のチャンネル諸島に位置するガーンジー島で生まれたアダムスは、写真を学ぶために故郷を離れ、60年代初期にロンドンの雑誌『Boyfriend』で仕事をしていた時に大きな転換期が訪れました。

1963年に新進気鋭のビートルズの撮影を任されたアダムスは、通常のスタジオ撮影ではなく、ロンドンの爆撃地の廃墟で4人を撮影することに決め、彼女の指示で空中をジャンプする4人の写真は、ビートルズ1963年のEP「Twist and Shout」のジャケットに使われています。

当時の撮影について、アダムスは次のように語っていました。

「重たいカメラ・ケースを手に悪戦苦闘しながらクレーターを下りたら、底には落ちた煉瓦や残骸が山のようにあった。彼らは辛抱強く立っていて、その姿は空と建物をバックに美しいシルエットになっていた。私がカメラをセットして、“ワン・ツー・スリー、ジャンプ！”って叫んだら、4人が飛び跳ねたの。2回トライしたのよ。4人ともキューバン・ヒールの靴を履いてたわ」

「あの時は、それが安全かどうかなんて考えもしなかった」

バンドが世界的なスーパースターになってからも、アダムスは多くの機会でビートルズを撮影しましたが、彼女が1965年にロンドンのサヴォイ・ホテルで撮影したボブ・ディランの写真も有名です。

なお、ビートルズの歴史家マーク・ルイソンが追悼メッセージを発表しています。