晩年のエルヴィス・プレスリーを支えた名ドラマー、ロン・タットが83歳で死去

エルヴィス・プレスリーのバンド、TCB（Takin’ Care of Business）の中心メンバーだった名ドラマーのロン・タット（Ron Tutt）が10月16日、テネシー州フランクリンの自宅にて83歳で死去しました。妻のドナによると、タットは長年心臓を患い、老衰で亡くなったそうです。

ダラス生まれのタットは、1969年からプレスリーが亡くなる1977年までTCBに在籍し、プレスリーが他界した後もTCBのコミュニティと深く関わり続けていました。
エルヴィス・プレスリー・エンタープライズは、エルヴィスのウェブサイト「Glaceland」で、次のようにコメントしています。

「エルヴィス・ウィークやエルヴィスの誕生日など、特別な機会があるたびにロニーと楽しい時間を過ごしました。ロニーは、エルヴィスと共演した思い出をファンと分かち合い、後の “Elvis in Concert” のショウとパフォーマンスを通じ、世界中のアリーナにエルヴィスの音楽を届けた素晴らしいアンバサダーでした」

Ronnie Tutt drum solo 1977 Elvis in concert

Billy Joel - Piano Man (Audio)

Billy Joel - Travelin' Prayer (Audio)

また、タットはセッション・ドラマーとしても活躍し、ビリー・ジョエル1973年のアルバム『Piano Man』と1974年の『Streetlife Serenade』で演奏した後、1974年からジェリー・ガルシア・バンドに加入、彼らが70年代に発表した大半の作品でレコーディングとツアーに参加したほか、グラム・パーソンズやエミルー・ハリスのレコーディングにも参加していました。

80年代には、エルヴィス・コステロとニール・ダイアモンドのアルバムに貢献し、ダイアモンドのツアー・バンドでは、40年にわたり重要な役割を果たしました。
ダイアモンドは10月17日、「彼はロックンロール史上最も偉大なドラマーの一人だった」と追悼し、ジェリー・ガルシアも追悼コメントを発表しています。

Neil Diamond - Cherry, Cherry
(Live At The Greek Theatre / 2012)

Roy Orbison - Oh, Pretty Woman
(Black & White Night 30)

また1988年には、ロイ・オービソンのTV特番『Roy Orbison and Friends : A Black and White Night』に出演し、TCBバンドのメンバーだったジェイムズ・バートン、グレン・D・ハーディン、ジェリー・シェフらとバックバンドとして演奏していました。

そのほかにも、ジョニー・キャッシュ、ケニー・ロジャース、グレン・キャンベル、マイケル・マクドナルド、カーペンターズなど、60年のキャリアにおいて多くの著名なミュージシャンらと共演しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。