ジェイ＆ジ・アメリカンズのフロントマン、ジェイ・ブラックが82歳で死去

60年代の人気ポップ・ロック・グループ、ジェイ＆ジ・アメリカンズ（Jay and the Americans）のフロントマンだったジェイ・ブラック（Jay Black）が10月22日、肺炎の合併症により82歳で死去しました。グループのフェイスブック・ページで訃報が伝えられています。晩年のブラックは、認知症も患っていたそうです。

ジェイ・ブラック（本名デヴィッド・ブラット）は、ニューヨークのクイーンズで生まれ、ドゥーワップ・グループのジ・エンパイアーズ（The Empires）に参加した後、1962年にジェイ＆ジ・アメリカンズのオリジナル・ヴォーカリストだったジョン・“ジェイ”・トレイナーの後任としてグループに加入しました。それ以前は、デヴィッド・ブラックの名前で活動していましたが、グループ加入にあたりジェイ・ブラックと名乗るようになり、ザ・ヴォイスのニックネームで呼ばれていました。

ジェイ＆ジ・アメリカンズの大半のヒット曲は、ジェイ・ブラックがリード・ヴォーカルを務めた曲で、1963年の「Only in America」が全米シングル・チャートの25位、1964年の「Come a Little Bit Closer」が同チャートの第3位を記録し、1965年の「Cara Mia」や1968年の「This Magic Moment」、1969年の「Walkin’ In The Rain」なども含め、21曲がチャートにランクインしました。

またグループは、1964年にビートルズの前座を務め、米TV番組の『The Tonight Show with Johnny Carson』や『The Mike Douglas Show』『The Merv Griffin Show』に出演していました。

グループは1973年に解散し、ブラック以外のメンバー全員がソロ活動に転向しましたが、ブラックはその後もジェイ＆ジ・アメリカンズとして様々なミュージシャンとパフォーマンスを続け、TV番組やフランク・シナトラの映画『Contact On Cherry Street』にも出演しました。

しかしながら、ブラックは2006年にギャンブルの借金で破産申請を余儀なくされ、ジェイ＆ジ・アメリカンズの命名権を元バンド仲間のサンディ・ディアンヌに売却、その後はジェイ・ブラック＆ザ・ヴォイスとして活動し、2017年のコンサートが最後となりました。

安らかなる眠りをお祈りいたします。