ファイヴ・サテンズのリーダー、フレッド・パリスが85歳で死去

 

50年代に活躍した米ドゥー・ワップ・グループ、ファイヴ・サテンズ(Five Satins)の創始者/リーダーでソングライターでもあったフレッド・パリス(Fred Parris)が1月13日、85歳で死去しました。

グループのフェイスブック・ページで訃報が伝えられていますが、亡くなった場所などの詳細は発表されていません。

「フレッド・パリスが短期間患った病気で亡くなり、悲しいことに音楽業界は偉大な人物の一人を失いました。フレッドが書いた名曲 “In the Still of the Night” は、史上最高のラヴ・ソングの一つとして認められ、ドゥー・ワップ時代に最もリクエストされた曲でした。フレッドはその他にもいくつかの名曲を書き、彼の素晴らしい歌声は何十年にもわたり世界中のファンを魅了しました」
コネチカット州ニューヘイヴンで生まれたパリスは、地元のグループで歌った後、1954年にファイヴ・サテンズを結成。ドゥー・ワップの全盛期だった1956年、パリスは自身が書いた「In the Still of the Night」をバンド仲間のアル・デンビーと録音し、同曲はUSポップ・チャートで24位、R&Bチャートで第3位を記録しました。

続いてグループは、「The Jones Girl」や「Wonderful Girl」「Oh Happy Day」などがヒットしましたが、「In the Still of the Night」ほどの永続的ヒットには繋がりませんでした。その後、グループ最大のヒット曲「In the Still of the Night」は、映画『Dirty Dancing』(邦題『ダーティ・ダンシング』)や『The Irishman』(邦題『アイリッシュマン』)にフィーチャーされたほか、ボーイズ II メンやデビー・ギブソンをはじめとする様々なアーティストにカヴァーされ、特にボーイズ II メンが1992年にカヴァーしたヴァージョンは、全米チャートの第2位を記録しています。

またパリスは、60年代にフレッド・パリス&レストレス・ハーツとして活動し、70年代にはブラック・サテンでヴォーカルを担当していました。

ファイヴ・サテンズは、パリスがアメリカ陸軍に再入隊した50年代後半から何度もメンバー・チェンジを繰り返しましたが、オリジナル・メンバーの何人かは1998年の「R&Bファウンデーションの殿堂」入りで再集結し、その後2003年に「ヴォーカル・グループの殿堂」入りを果たしました。

ファイヴ・サテンズは現在も活動を続けていますが、オリジナル・メンバーのスタンリー・ドルチェが2010年に、ルイス・エドワード・ピープルズが2020年に他界しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
In the Still of the Night - Fred Parris and The Satins
商品情報
The Five Satins 
『The Complete Releases 1954』


Amazon Music・MP3(2015/10/9)¥3,200
CD(2015/12/11)輸入盤
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