ベンチャーズのドン・ウィルソンが88歳で死去

The Ventures『The Ventures』(Dolton:1961年)
左からハウイー・ジョンソン(1988年他界)、ドン・ウィルソン、ノーキー・エドワーズ(2018年他界)、ボブ・ボーグル(2009年他界)。
米インストゥルメンタル・ロック・バンド、ザ・ベンチャーズ(The Ventures)の共同創始者/リズム・ギタリストのドン・ウィルソン(Don Wilson)が1月22日、老衰のため88歳で死去しました。
家族が『PEOPLE』誌に語ったところによると、ウィルソンは生まれ故郷のワシントン州タコマにて、4人の子供たちに見守られながら安らかに息を引き取ったそうで、息子のティムが声明を発表しています。
「父は、ベンチャーズと共に世界中の人々を感動させた素晴らしいリズム・ギタリストでした。人々から愛され、高く評価された父は永遠に歴史に名を刻み、彼の死は惜しまれることでしょう」
家族が『PEOPLE』誌に語ったところによると、ウィルソンは生まれ故郷のワシントン州タコマにて、4人の子供たちに見守られながら安らかに息を引き取ったそうで、息子のティムが声明を発表しています。
「父は、ベンチャーズと共に世界中の人々を感動させた素晴らしいリズム・ギタリストでした。人々から愛され、高く評価された父は永遠に歴史に名を刻み、彼の死は惜しまれることでしょう」

ドン・ウィルソンは1933年に米ワシントン州タコマで生まれ、高校卒業後に入隊した陸軍を除隊した後、1958年に友人のボブ・ボーグルとバンドを結成し、1959年にバンド名をベンチャーズに改名しました。
その後、ベーシストとして加入したノーキー・エドワーズ(のちにギターへ転向)とドラマーのスキップ・ムーアが参加したベンチャーズは、1960年のシングル「Walk, Don’t Run」(邦題「急がば廻れ」)が大ヒットし、アメリカのみならず世界的にエレキ・ギターの人気を普及させた同曲は、後に「グラミーの殿堂」入りを果たしました。
1962年からはドラマーのメル・テイラーが加入し、「Hawaii 5-0」(邦題「ハワイ・ファイヴ・オー」)や「Diamond Head」(ダイアモンド・ヘッド)をはじめとする多数のシングルが全米ビルボード・チャートにランクインしたほか、日本では渚ゆう子が1970年にカヴァーした「京都の恋」(原題「Expo ’70〈Kyoto Doll〉」)が大ヒットしました。
60年代~70年代初期には、38枚のアルバムが全米チャートにランクインし、ベンチャーズは全世界で1億枚以上のアルバムを売り上げています。
またベンチャーズは、ビートルズやビーチ・ボーイズ、ゴー・ゴーズ、KISSらに影響を与え、KISSのジーン・シモンズは、ファン・クラブの会員にもなっていました。日本でも定期的に公演を行なっていたバンドは、2008年に「ロックの殿堂」入りを果たしています。
ウィルソンは2015年に引退するまで、バンド・メンバーとしてレコーディングを続け、一度も休むことなくツアーに参加し、2019年からは、娘のトレイシーが監督したバンド60周年記念の長編ドキュメンタリー『The Ventures: Stars on Guitars』の制作に加わっていました(2019年1月31日/10月30日/11月13日MLCニュース参照)。
ウィルソンは2020年、『PEOPLE』誌とのインタヴューで次のように語っています。
「僕らは本来、サーフ・バンドになるつもりは全くなかった。僕はサーフ・ミュージックを演奏するのが大好きで、とっても楽しくて気分が良かったけど、ベンチャーズをサーフ・バンドだと思ったことは一度もなかった。60年代初期のサーフ文化、エレキ・ギター、アメリカーナ音楽のブームが幸運にも偶然重なったんだと思う。でも僕らは、クラシックからディスコに至るまで、あらゆる音楽をベンチャーズ流にプレイしているよ」
なお、共同創始者のボブ・ボーグルが2009年に75歳で他界、リード・ギタリストのノーキー・エドワーズが2018年に82歳で他界(2018年3月13日MLCニュース)、結成60周年を迎えた2019年には、日本でソロ公演を行っていたギタリスト/ベーシストのジェリー・マギーが、東京都内の病院にて81歳で他界しています(2019年10月16日MLCニュース)。
安らかなる眠りをお祈りいたします。
その後、ベーシストとして加入したノーキー・エドワーズ(のちにギターへ転向)とドラマーのスキップ・ムーアが参加したベンチャーズは、1960年のシングル「Walk, Don’t Run」(邦題「急がば廻れ」)が大ヒットし、アメリカのみならず世界的にエレキ・ギターの人気を普及させた同曲は、後に「グラミーの殿堂」入りを果たしました。
1962年からはドラマーのメル・テイラーが加入し、「Hawaii 5-0」(邦題「ハワイ・ファイヴ・オー」)や「Diamond Head」(ダイアモンド・ヘッド)をはじめとする多数のシングルが全米ビルボード・チャートにランクインしたほか、日本では渚ゆう子が1970年にカヴァーした「京都の恋」(原題「Expo ’70〈Kyoto Doll〉」)が大ヒットしました。
60年代~70年代初期には、38枚のアルバムが全米チャートにランクインし、ベンチャーズは全世界で1億枚以上のアルバムを売り上げています。
またベンチャーズは、ビートルズやビーチ・ボーイズ、ゴー・ゴーズ、KISSらに影響を与え、KISSのジーン・シモンズは、ファン・クラブの会員にもなっていました。日本でも定期的に公演を行なっていたバンドは、2008年に「ロックの殿堂」入りを果たしています。
ウィルソンは2015年に引退するまで、バンド・メンバーとしてレコーディングを続け、一度も休むことなくツアーに参加し、2019年からは、娘のトレイシーが監督したバンド60周年記念の長編ドキュメンタリー『The Ventures: Stars on Guitars』の制作に加わっていました(2019年1月31日/10月30日/11月13日MLCニュース参照)。
ウィルソンは2020年、『PEOPLE』誌とのインタヴューで次のように語っています。
「僕らは本来、サーフ・バンドになるつもりは全くなかった。僕はサーフ・ミュージックを演奏するのが大好きで、とっても楽しくて気分が良かったけど、ベンチャーズをサーフ・バンドだと思ったことは一度もなかった。60年代初期のサーフ文化、エレキ・ギター、アメリカーナ音楽のブームが幸運にも偶然重なったんだと思う。でも僕らは、クラシックからディスコに至るまで、あらゆる音楽をベンチャーズ流にプレイしているよ」
なお、共同創始者のボブ・ボーグルが2009年に75歳で他界、リード・ギタリストのノーキー・エドワーズが2018年に82歳で他界(2018年3月13日MLCニュース)、結成60周年を迎えた2019年には、日本でソロ公演を行っていたギタリスト/ベーシストのジェリー・マギーが、東京都内の病院にて81歳で他界しています(2019年10月16日MLCニュース)。
安らかなる眠りをお祈りいたします。


商品詳細
ザ・ベンチャーズ
『プレミアム・ツイン・ベスト・シリーズ ダイアモンド・ヘッド〜ベンチャーズ・ベスト』
CD(2010/6/30)¥1,698
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商品詳細
ザ・ベンチャーズ
『8 Classic Albums』
CD(2018/7/13)輸入盤
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