ザ・ポップ・グループのヴォーカリスト、マーク・スチュワートが62歳で死去

英ポスト・パンク・バンド、ザ・ポップ・グループ（The Pop Group）の創設メンバー／ヴォーカリストのマーク・スチュワート（Mark Stewart）が4月21日、62歳で死去しました。

所属レーベルのミュート・レコードが訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。

スチュワートは1960年にイングランドのブリストルで生まれ、1977年にジョン・ワディントン、サイモン・アンダーウッド、ギャレス・セイガー、ブルース・スミスらとポップ・グループを結成しました。

ダブ、プロト・パンク、ファンクなどに影響を受けたバンドは、1979年にデビュー・アルバム『Y』を発表し、自分たちのエクスペリメンタル・ロックに鋭い反体制政治を吹き込み、UKポスト・パンクのパイオニア的存在になりました。

1980年には、セカンド・アルバム『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?』を発表したものの、バンドは翌1981年に解散し、スチュワートは1983年、初ソロ・アルバム『Learning to Cope With Cowardice』をリリースしました。

その後もソロ・アルバムを発表し続けたスチュワートは、マッシヴ・アタック、トレント・レズナー（ナイン・インチ・ネイルズ）、プライマル・スクリームらとコラボレーションを行ない、コンセプチュアル・アーティストとしても活躍しました。

また、ポップ・グループが2010年に再結成し、2011年にサマー・ソニックで来日公演を果たしました。スチュワートは、バンドが2015年と2016年に発表した2枚のアルバム『Citizen Zombie』と『Honeymoon on Mars』に参加したほか、2022年には9作目のソロ・アルバム『VS』もリリースしましたが、これが最後の作品になりました。

ミュート・レコードの声明には、次のように綴られています。
「マークと知り合い、一緒に仕事をし、彼と笑い、彼と一緒に考えたことは、唯一無二の思い出です。彼の自信に満ちた圧倒的な存在感は、繊細で温かく、クリエイティヴで好奇心旺盛な、知性のある陽気な性分と一体になり、初めて会った時には気付きませんでしたが、彼の目がキラキラと輝いた時、彼が味方であることは明らかでした」

安らかなる眠りをお祈りいたします。