フランスで活躍した英・女優/歌手のジェーン・バーキンが76歳で死去

フランス、マクロン大統領のツイッターより。

 
英ロンドン出身の女優/歌手で、主にフランスで活躍したジェーン・バーキン(Jane Birkin)が7月16日、76歳で死去しました。

フランス文化省が訃報を伝えており、バーキンはパリの自宅で遺体となって発見されたそうです。

バーキンは2002年に白血病と診断され、2021年に軽度の脳卒中から回復中であると発表しましたが、今年5月、健康問題により6月にパリで予定されていた一連のコンサートをキャンセルしていました。
バーキンは 1946年12月14日、女優の母親とイギリス海軍高官の父親のもとロンドンで生まれました。18歳で映画『The Knack... and How to Get It』(邦題『ナック』)の端役で女優デビューを果たし、同映画の音楽担当だったジョン・バリーと結婚。1966年のカウンターカルチャー映画『Blowup』(邦題『欲望』)や、同年のコメディ・クライム映画『Kaleidoscope』、1968年のサイケデリック映画『Wonderwall』で重要な役を演じるようになりましたが、1968年にバリーと離婚しました。

離婚後、フランスへ渡ったバーキンは、1969年公開のフランス映画『Slogan』に出演し、同作の音楽を担当した主役のセルジュ・ゲンズブールと出会いました。二人は同年、ゲンズブールが作詞作曲したデュエット曲「Je t’aime moi non plus」(「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」)をリリースし、同曲はUKチャートで第1位に輝いたものの、極めてエロティックで過激な歌詞だったため、一部の国では放送禁止曲になり、物議を醸しました。

その後、バーキンはゲンズブールが1971年に発表したアルバム『Histoire de Melody Nelson』(邦題『メロディ・ネルソンの物語』)でヴォーカルを務め、アルバム・カヴァーにもフィーチャーされたほか、ゲンズプール1976年の初監督作品『Je t’aime moi non plus』の主役も務めるなど、二人の関係は10年以上も続きました。

バーキンは、1980年にゲンズブールと破局した後も女優/歌手として活動を続け、様々なインディペンデント映画に出演し、多数のソロ・アルバムもレコーディングしましたが、2020年のアルバム『Oh! Pardon tu dormais...』が最後の音楽作品になりました。バーキンが最後に出演した映画は、2021年の『Jane by Charlotte』(邦題『ジェーンとシャルロット』)で、同作は、バーキンとゲンズプールの娘シャルロット・ゲンズブールの初監督作品でした。

なお、フランスの高級ブランド、エルメスのバッグ「バーキン」は、1984年に同社の会長が飛行機で彼女と隣り合わせになった際、彼女がボロボロのバッグに荷物を詰め込んでいる姿を見て、バッグをプレゼントしたいと申し出たことを機に作られました。

バーキンは、2011年に東日本大震災のチャリティ公演で来日し、2018年には、春の叙勲で「旭日小綬章」を受賞しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。
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