オールマン・ブラザーズの創設メンバー、ディッキー・ベッツが80才で死去

オールマン・ブラザーズ・バンド（ABB）の創設メンバーで、ギタリスト／シンガー／ソングライターのディッキー・ベッツ（Dickey Betts）が4月18日、慢性閉塞性肺疾患とガンにより、80才で死去しました。

バンドが次の声明を発表しています。

「オールマン・ブラザーズ・バンドは本日、創設メンバーのディッキー・ベッツが健康状態の悪化により、フロリダ州サラソタの自宅で安らかに息を引き取ったことを知り、深い悲しみに包まれています。

ディッキーは、“Blue Sky” “Rambling Man” “Jessica” “In Memory of Elizabeth Reed” をはじめ、ブラザーズの象徴的な曲をたくさん書きました。彼とギタリストのデュアン・オールマンとの類まれなギター演奏は、独特なデュアル・ギターのシグネチャー・サウンドを生み出し、サザン・ロックとして知られるジャンルを特徴付けるサウンドになりました。

彼は音楽、ソングライティング、釣り、狩猟、ボート、ゴルフ、空手、ボクシングなど、人生において情熱を注ぎ、興味を惹かれるものすべてに取り組み、得意としていました。

ベッツは、ブラザーズのデュアン・オールマン、ベリー・オークリー、ブッチ・トラックス、グレッグ・オールマン、そしてABBのクルー・メンバーのツイッグス・リンドン、ジョー・ダン・ペティ、レッド・ドッグ、キム・ペイン、マイク・キャラハンと共に空に浮かぶ古いウィネベーゴに乗り、彼らの音楽を聴いてくれる全ての人に音楽を届けながら世界中をツアーしています。

彼の肉親であるドナ、デュアンとリサ、クリスティとフランク、ジェシカ、キムにお悔やみを申し上げます。ブラザー・ディッキー、あなたは永遠に記憶に残り、深く惜しまれることでしょう」

1943年にフロリダ州ウェストパームビーチの音楽一家に生まれたベッツは、5歳でウクレレを弾き始めた後、マンドリン、バンジョー、ギターに移行し、16歳の頃からフロリダの様々なロック・バンドで演奏していました。

その後、ベッツは1967年にベーシストのベリー・オークリーとセカンド・カミングというバンドを結成し、二人は翌年、ジャクソンヴィルでジャム・セッションをしていたデュアン・オールマンと知り合い、1969年にこの3名にブッチ・トラックス、ジェイモー、グレッグ・オールマンを加えたメンバーでオールマン・ブラザーズ・バンドが誕生しました。

バンドは、1969年にデビュー・アルバム『The Allman Brothers Band』、1970年にセカンド・アルバム『Idlewild South』を発表し、1971年には初ライヴ・アルバム『At Filmore East』をリリースしましたが、この直後にデュアン・オールマンがオートバイ事故で他界し、1972年のアルバム『Eat a Peach』はベッツが中心となって完成させ、以後デュアンに代わりベッツがバンドのリーダーを務めるようになりました。

またベッツは、1974年に初ソロ・アルバム『Highway Call』をリリースし、ABBが1976年に解散した後も、ディッキー・ベッツ＆グレイト・サザーンとしてアルバムを発表し続け、1989年にABBが2度目の再結成をした時は、自身のバンドにいたウォーレン・ヘインズと共に参加しましたが、2000年にABBを脱退しました。

なお、ベッツは1995年、ABBのメンバーとして「ロックの殿堂」入りを果たしています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。