アイズレー・ブラザーズの元メンバー、クリス・ジャスパーが73歳で死去

アイズレー・ブラザーズの主要なソングライター／キーボーディストだったR&Bミュージシャンのクリス・ジャスパー（Chris Jasper）が2月23日、73歳で死去しました。

家族が訃報を伝えており、ジャスパーは昨年12月にガンと診断されていたそうです。

1951年にオハイオ州シンシナティで生まれたジャスパーは、7歳からクラシック・ピアノを習い、後にニューヨーク市のジュリアード音楽院で作曲を学び、著名なジャズ・ピアニスト／作曲家のビリー・テイラーに師事し、作曲の美術学士号を取得。このクラシック音楽の訓練が、R&B、ファンク、ソウルを融合させた彼の力強い音楽の基礎となりました。

その後、1973 年にマーヴィン・アイズレーとアーニー・アイズレーと共にアイズレー・ブラザーズに加入したジャスパーは、グループをヴォーカル・トリオから6人編成のR&B／ファンク・グループへと変貌させ、彼の作曲の才能とキーボード／シンセサイザーの専門知識がグループの特徴的なサウンドの礎となり、「For the Love of You」「Between the Sheets」「Fight the Power」を含む数多くのヒット曲の作曲、編曲、プロデュースに尽力しました。

1984年、ジャスパーはバンド・メンバーのマーヴィンとアーニーと共にアイズレー・ジャスパー・アイズレーを結成し、1987年の解散までに3枚のアルバムをリリース。1985年の大ヒット曲「Caravan of Love」は、後に様々なアーティストによってカヴァーされました。

1987年の解散後、ソロ活動を開始したジャスパーは、ゴールド・シティ・レコードを設立し、4枚のゴスペル・アルバムを含む17枚のR&Bソロ・アルバムをリリースしました。中でも、教育の重要性を訴えた1988年のソロ・デビュー作『Superbad』がR&BチャートのNo.1ヒットになり、また自身のレーベルのアーティストもプロデュースしていました。

なお、2015年のアルバム『Essential Chris Jasper』には、ジャスパーがアイズレー・ジャスパー・アイズレー時代とCBS／ソニーミュージックでのソロ活動中にリード・ヴォーカルを務めた全トラックが収録されており、多くのアルバムがゴールドやプラチナに認定されました。

ジャスパーはアイズレー・ブラザーズのメンバーとして、1992年に「ロックの殿堂」入りを果たし、2014年にグラミー賞の「生涯功労賞」を受賞、2020年には「ソングライターの殿堂」入りを果しています（2020年1月17日／2022年3月15日MLCニュース参照）。

安らかなる眠りをお祈りいたします。