【ミュージック・ライフ写真館】レッド・ツェッペリン1971年の初来日時に、広島市長・平和記念公園を訪問【ML Imagesライブラリー】

【撮影:長谷部 宏 pix : Koh Hasebe / ML images / Shinko Music】

明日8月6日は、1945年8月、広島に原爆が投下された「原爆の日」です。長崎への原爆投下は9日。広島市などは事前に、開催期間中にあたる東京オリンピックで選手や関係者らにも黙祷を捧げる時間をと働きかけたといいますが、それは見送られることになったそうです。IOCのバッハ会長はその理由の明言を避けつつも、数日後の閉会式ではそうした時間を設けると回答したとか。「原爆の日」その日に実現に至らなかったのには大人の事情があるのでしょうが、平和の祭典の一部として “あるべき1分間” だったようにも思えます。
──というわけで、本日のミュージック・ライフ写真館は、レッド・ツェッペリン1971年初来日時の写真をお届けします。彼らは9月23・24日に日本武道館、9月27日に広島県立体育館、9月28・29日に大阪フェスティバルホールで公演を行ないました。このうち広島公演はチャリティとして行なわれたもので、彼らは滞在中に広島市長を表敬訪問、コンサートの売り上げ700万円の目録を市長に手渡し、その足で平和記念公園にも訪れているのです。

読み込み中.....

(以下すべての画像はタップ/クリックで拡大できます)

 

時間軸的には、27日午前に広島入り、平和記念公園を訪れ、午後に市長と面談。その夜広島県立体育館での公演となるわけですが、まずは市長室での一連のカットから。当時の市長・山田節男氏に目録を手渡し、市長室で談笑。ウィキピディアによると英語が堪能だった市長は通訳を介さずメンバーと話したので、周囲の者は交わされていた会話の内容がわからなかったのだとか。

読み込み中.....

こちらはその日の午前に平和記念公園を訪れた際の様子。マネージャーのピーター・グラント(髪が薄い大柄の人物)の姿も見えます。ペイジが8ミリのカメラを構えている様子も映されていますが、このとき彼が撮影した映像は自らのサイトを通じて公開、現在もYouTubeで見ることができます。
Jimmy Page - Hiroshima, 1971 - 8mm film

彼らの広島訪問について検索すると、関連した興味深い記事がいくつも出てきて、この時の様子を伝える当時の新聞記事なども発掘されたりしているようです。本人たちたっての希望による訪問で、その後も折あるごとに当時の記憶をコメントし、彼ら自身にとっても非常に印象深い出来事だったようですので、それらもぜひご覧になってみてください。

読み込み中.....

そしてこちらがその夜の公演の様子。最初の2枚はリハーサル時、長谷部カメラマンはステージに上がって至近距離からメンバーを撮影。この他にも一連の写真には、真剣な眼差しでオルガンに向かうジョン・ポール・ジョーンズや、すっかりリラックスしたプラントの姿なども収められています。

そして以降は本番の様子。いつものライヴ、かと思いきや最後の2枚は観客がステージに上がっての大騒ぎに。メンバーも日本のオーディエンスがここまでやると思っていなかったのか、若干引いてしまっているようにも見えます。そして最後は公演後のロビーにて、メンバーと長谷部氏の記念写真(中央、小柄なメガネの人物)。シャッターを切ったのはこの場にいた編集部の人間か、公演のスタッフだったのか。一連のロール最後にこの1枚が収められていたのでした。
それから44年後、ペイジは広島を訪れ、慰霊碑にお花を手向けてくださいました。その様子は自らツイートもし、彼が再び広島を訪れたことはTVのニュースでも流れたそうです。最初の広島訪問が彼にとってそれほど印象深いものだったということでもあり、礼儀を欠かさぬペイジさんには頭が上がりません。なのでバッハさんには政治的配慮など抜きにして、世界へ向け黙祷の1分間を実現させてくださっていれば落ちた株も多少は上がっていただろうに、と思うのですが。
 
それとついでに。北京オリンピックの閉会式の公式動画がフルでありましたので、こちらもどうぞ。ご記憶でしょうか、1時間21分過ぎにペイジさん登場、「胸いっぱいの愛を」を演奏します。
Full Closing Ceremony from Beijing 2008
Throwback Thursday
そしてツェッペリンに関しては、この初来日時についてだけでなく、翌年の再来日時の彼らの様子ばかりを集めたムックも弊社より発売中です。ぜひお買い求めください!
レッド・ツェッペリン ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1971 & 1972

レッド・ツェッペリン ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1971 & 1972〈シンコー・ミュージック・ムック〉

3,520円
 
関連ニュース
2020.04.20
【ミュージック・ライフ写真館】クイーン来日取材──1975年4月20日、東京プリンスホテル庭園にて【ML Imagesライブラリー】
2020.05.15
【ミュージック・ライフ写真館】1973年4月、ジャクソン5唯一の来日! マイケルはもちろん、全員取材での貴重な撮影【ML Imagesライブラリー】
2020.05.29
【ミュージック・ライフ写真館】スティーヴィー・ワンダー、60年代リトル・スティーヴィー時代〜70〜80年代来日時写真【ML Imagesライブラリー】
2020.06.19
【ミュージック・ライフ写真館】1978年6月、ヴァン・ヘイレン初来日。全開ステージ&特写では昭和のあの大スターも登場!【ML Imagesライブラリー】
2020.07.13
【ミュージック・ライフ写真館】1971年7月、嵐を呼んだグランド・ファンク・レイルロード後楽園球場公演【ML Imagesライブラリー】
2020.10.07
【追悼】エディ・ヴァン・ヘイレン 1955-2020【再掲ミュージック・ライフ写真館】
2020.11.06
【ミュージック・ライフ写真館】追悼エディ・ヴァン・ヘイレン第2弾【ML Imagesライブラリー】
2020.12.25
【ミュージック・ライフ写真館】ジョージ・マイケル/ワム!【ML Imagesライブラリー】
2021.03.10
【ミュージック・ライフ写真館】シンディ・ローパー 1984年+1986年【ML Imagesライブラリー】
2021.04.30
【ミュージック・ライフ写真館】ベイ・シティ・ローラーズ〜追悼レスリー・マッコーエン【ML Imagesライブラリー】
2021.06.10
【ミュージック・ライフ写真館】ボン・ジョヴィ、“スーパー・ロック '84 イン・ジャパン”で初来日!【ML Imagesライブラリー】
1960〜90年代にかけて、雑誌『ミュージック・ライフ』は、フォトグラファー長谷部 宏氏を中心にした撮影陣で、数多くの海外アーティストの写真を撮り続けて来ました。60年代にはビートルズ、70年代にはクイーン、KISS、チープ・トリック、ジャパン、80年代にはボン・ジョヴィやデュラン・デュラン……などなど、撮りためたポジ・フィルムやプリントは、数十万枚にも及ぶ量になります。しかもその貴重さは世界的レベルのため、海外からのリクエストも絶え間なく寄せられています。

現在我々は、そのコレクションを「ML Images」と名付け、膨大な量の写真を地道に整理整頓しつつ、貸し出すサービスを行なっており、ライブラリへアップロード済みの画像は目下約3万点で、現在も増え続けております。ご利用をご希望のメディア/展示スペースの方は、弊社までご連絡いただければ、具体的なご希望がない場合でもスタッフがお応えいたします。お気軽にご相談ください。メールはこちらから。

※個人の方へのご提供は行なっておりません。
この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

CROSSBEAT Presents 80年代洋楽完全ガイド

1,980円
ROCK STARS WILL ALWAYS LOVE JAPAN 長谷部宏 写真集

ROCK STARS WILL ALWAYS LOVE JAPAN 長谷部宏 写真集

3,300円
ロックンロール・フォトグラフィティ 長谷部宏の仕事

ロックンロール・フォトグラフィティ 長谷部宏の仕事

1,980円
ROCK THE BEST 長谷部宏写真集

ROCK THE BEST 長谷部宏写真集

3,850円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ