MLC推薦図書10選+α──年末年始の長休みに読んでおきたい2025年の新刊

要するに我が社の本を買ってちょんまげ、という内容です。ボーナスという名の我々の労働意欲は読者である皆さんにかかっている!……というと身も蓋もありませんが、でも、本って作っていると楽しいんですよ。担当編集者というのは「一番最初の読者」とも言い換えることができ、同じ喜びをみなさんにも味わってほしいと考えながら、日々精進しております。それまで関心が薄かったアーティストやジャンルに対しても、制作を進めていくうちにだんだん好きになっていってしまうものだったりしてまして。もちろん好きなものなら言わずもがな、ですしね。

ということで、以下いずれもファン目線からの愛に溢れた、今年刊行したもののなかから選び抜いた10選+α。ぜひこの冬の長休みのお供にどうぞ。

選/文◉辻口稔之(ミュージックライフ・クラブ編集長)

■「ボヘミアン・ラプソディ」『オペラ座の夜』50周年、クイーンの新刊2冊

やはりまずはクイーンから。写真集『ディアレスト』は何しろご本人らのご協力の下制作されたという点がこれまでのものと異なります。また『永遠なるボヘミアン・ラプソディ「オペラ座の夜」のすべて』は、クイーン・コンシェルジュこと弊社の吉田が実際にイベントなどで声を大にし、伝道者のごとくクイーンの素晴らしさをファンの立場から語りながら、その思いを1冊にまとめました。本書に限らず「ファン目線」って大事だと思うんです。

クイーン×ミュージック・ライフ公式写真集 ディアレスト

クイーン×ミュージック・ライフ公式写真集 ディアレスト

3,960円
永遠なるボヘミアン・ラプソディ『オペラ座の夜』のすべて

永遠なるボヘミアン・ラプソディ『オペラ座の夜』のすべて

3,000円

著者:クイーン・コンシェルジュ=吉田聡志(監修)

■レコード会社担当ディレクター氏だって同じこと

レコードを売るのもきっと同じことだと思います。まずはそのアーティスト/グループを好きになること。作品を好きになること。でなければやはりオススメできないじゃないですか。スポットライトの当たらない、むしろ当てる裏方さんたちによるリアルな証言はやはり面白い!

東芝EMI洋楽部の輝ける日々

東芝EMI洋楽部の輝ける日々

ビートルズ、クイーンからデュラン・デュラン、デヴィッド・ボウイまで

2,500円

著者:森俊一郎/阿佐美俊夫
絢爛のロックショー、クイーン追想録 〜二代目ディレクターの独白〜

絢爛のロックショー、クイーン追想録

〜二代目ディレクターの独白〜

2,000円

著者:松林天平

■ファン目線、というより執筆者がファンそのもの

「好きすぎて本を書いてしまった」なんてよくあること。ご存知の方ならおわかりかと思いますが、モーターヘッドの全曲をすべて聞き分け、それを本にまとめてしまったというのはまさに偉業に他なりません! そして時代によって変化/変遷の激しいデヴィッド・ボウイを、時代ごとに網羅しすべてまとめあげてしまったのも素晴らしい。『レッド・ツェッペリン最強オリジナル盤ガイド』なんてマニアの極北にしてファンの権化! モーターヘッドの著者である長谷川修平氏、デヴィッド・ボウイで監修・執筆を手がけた大久達朗氏、レッド・ツェッペリンで監修を務めた真保安一郎氏には、謹んでスタンディング・オヴェーションをお送りしたいと思います。

CROSSBEAT Presents デヴィッド・ボウイ 21世紀の男

CROSSBEAT Presents デヴィッド・ボウイ 21世紀の男

〈シンコー・ミュージック・ムック〉

2,000円

監修・執筆:大久達朗

■スタンダードな「ファンのために」な本ももちろん

従来のような「ファンのみなさんのために」作られた本も当然あります。ここまでお送りしてきたいわば変化球は、スタンダードなストレートがあってこそのもの。アーティスト/グループのはじまりから現在まで、その作品やライヴの歴史、時代背景と当のアーティストがどうそれに立ち向かっていったかなど。特に再結成で再び日本を訪れてくれたオアシスのようなバンドは、バンドの紆余曲折や兄弟喧嘩を原因とした解散などをリアルタイムで追っていたファンの方ばかりではないはず。フェアウェル・ツアーで最後の日本公演を終えたシンディ・ローパーもそんな一人で、下積み時代に日本料理店で働いていたことがきっかけとなり、東日本大震災の折に募金箱を手に募金集めに声を枯らしてくれたことなど、データブックには載らない逸話がたくさんあります。

CROSSBEAT Special Edition オアシス 2025

シンコー・ミュージック・ムック

CROSSBEAT Special Edition オアシス 2025

2,200円

■『アイ・アム・オジー』から15年

ここまででもう10冊。しかし今年はオジーの他界を抜きには語れません。思えば彼の最初の自伝『アイ・アム・オジー』を刊行したのは2010年のことで、このとき編集担当をしておりました。メタル道を通らずこれまでやってきた自分にとって、オジー・オズボーンはもちろんその面白キャラとしては知っていますが、その音楽にはほとんどふれることなく今日までやってきました。そんな中海外でベストセラーとなったオジー最初の自伝『アイ・アム・オジー』を担当、知らないなりに制作を進めているうち、やはりどんどん彼のことを好きになっていく。校了して制作を終えた時にはちょっとしたロスさえ感じました。本稿前文に書いたのはこの時の実体験がその大きな部分を占めています。なので、最後にボーナス・トラック的に今年弊社が刊行した、いずれもオジー愛に溢れた刊行物を最後にまとめて。

BURRN!9月号

BURRN!9月号 BLACK SABBATH『BACK TO THE BEGINNING』

1,200円
YOUNG GUITAR 10月号

YOUNG GUITAR 10月号 総力特集:追悼オジー・オズボーン

1,800円
BURRN! PRESENTS 炎 Vol. 7 オジー・オズボーン追悼特集号

シンコー・ミュージック・ムック

BURRN! PRESENTS 炎 Vol. 7 オジー・オズボーン追悼特集号

1,320円
ベスト・オブ・ブラック・サバス[ワイド版]

バンド・スコア

ベスト・オブ・ブラック・サバス[ワイド版]

3,960円
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