アメリカを代表する伝説的ポピュラー歌手、トニー・ベネットが96歳で死去

70年の音楽キャリアを誇るポピュラー/ジャズ歌手のトニー・ベネット(Tony Bennett)が7月21日、ニューヨークの自宅にて96歳で死去しました。死因は発表されていませんが、ベネットは2016年にアルツハイマー病と診断されていました(2021年2月3日MLCニュース)。

家族がSNSで訃報を伝えています。
「トニーは今日、私たちのもとを去りましたが、彼は先日、ピアノに合わせて歌っていたのです。最後の曲は、彼の初No.1ヒット曲 “Because of You” でした。トニー、あなたのおかげで、あなたの曲は永遠に私たちの心に残ります」
1926年にNY州で生まれたベネットは、幼い頃から歌の才能に恵まれ、第二次世界大戦中に徴兵された後、1950年にコロンビア・レコードと契約しました。1951年にリリースした「Because of You」が全米チャートで第1位を記録、1962年の「(I Left My Heart)In San Francisco」(邦題「霧のサンフランシスコ」)が代表的ヒット曲になり、ベネットはフランク・シナトラから、「業界最高のシンガー」と呼ばれていました。

しかしながら、ロックンロールの大流行に伴い、ベネットは60年代半ばから70年代後半にかけて人気が低迷し、時代に合わせた現代的な曲をレコーディングするよう提案され、ドラッグや経済的問題にも苦しみました。

その後、二人の息子に助けられたベネットは、1979年にカムバックを果たし、デヴィッド・レターマンやコナン・オブライエンの音楽番組にレギュラー出演するなど、若いリスナーにも紹介されるようになり、1994年には67歳で『MTVアンプラグド』に出演し、その時のライヴ・アルバムがグラミーの「最優秀アルバム賞」を受賞しました。

また、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、ジョージ・マイケル、アレサ・フランクリン、ジョン・メイヤー、K.D.ラング、スティング、エイミー・ワインハウスをはじめとする様々なアーティストとコラボレーションを行ない、その中で最も実りある音楽パートナーは、キャリア後期にコラボしたレディー・ガガでした(2021年7月21日8月4日MLCニュース)。

ベネットは、キャリアにおいて推定6,000万枚のレコードを売り上げ、グラミー賞を20回受賞、85歳で全米アルバム・チャートの第1位を獲得し、2021年にリリースしたレディー・ガガとのコラボ・アルバムでは、史上最高齢となる95歳で新アルバムをリリースしたことが、ギネス世界記録に認定されました(2021年10月11日MLCニュース)。

安らかなる眠りをお祈りいたします。

※海外における公演の多くにおいては、オーディエンスによる携帯での撮影、そしてその画像・動画のアップロードがアーティスト側にプロモーションの一環として了承・推奨されている場合が多いため、MUSIC LIFE CLUBではそういった情報も掲載しています。

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