【追悼企画】『志村けんが愛したブラック・ミュージック』
連載第8回・ザ・ブラザーズ・ジョンソン

写真提供:イザワオフィス
本連載は、70〜80年代にかつて弊社が刊行した音楽&カルチャー雑誌『jam』に掲載された、志村けんさんの手になるレコード評を再掲載するもの。今回のブラザーズ・ジョンソンのアルバム評は、これまで再掲載してきた中でも最もストレートな愛情表現がなされています。すべてお読みになってきた方も、今一度読み直してこちらで復習をどうぞ。
2020.05.01
『志村けんが愛したブラック・ミュージック』【第1回・プリンス】
2020.05.15
『志村けんが愛したブラック・ミュージック』【第2回・マイケル・ジャクソン&ジャクソンズ】
『志村けんが愛したブラック・ミュージック』【第3回・スティーヴィー・ワンダー】
『志村けんが愛したブラック・ミュージック』【第4回・エアプレイ】
『志村けんが愛したブラック・ミュージック』【第5回・チャカ・カーン】
『志村けんが愛したブラック・ミュージック』特別編:志村けんインタヴュー
『志村けんが愛したブラック・ミュージック』【第6回・ロバータ・フラック】

グループは1976年の『ルック・アウト・フォー・No.1』でアルバム・デビュー、シングルの「I'll Be Good to You」(全米3位)や、翌年のアルバム『Right on Time』からのシングルカット「Strawberry Letter 23」(全米5位/シュギー・オーティスのカヴァー)が大ヒットして、一躍人気グループになっています。その後も順調に活動を続けていましたが、1982年の『ブラスト!』で一旦は解散。今回取り上げるアルバム『ライト・アップ・ザ・ナイト』は1980年リリースの4作目で、全米で5位、R&Bチャートでは1位を記録した作品です。ここから「ストンプ!」がシングルカットされ全米では7位を記録、日本でもヒットしディスコ・スタンダードとして今も愛され続けています。
【音楽雑誌『jam』】
『jam』は、1978〜1981年に弊社が刊行した音楽を中心としたカルチャー雑誌。『ミュージック・ライフ』『ロック・ショウ』と編集長を歴任した水上はる子氏が立ち上げ、ティーンを主な対象読者としたそれら2誌に対し、もう一段階上の年齢層、言わば “その2誌を卒業した読者” に向けたものでした。
【『jam』1980年4月号】
今回の原稿が掲載されたのは『jam』1980年4月号(編集長は高橋まゆみ氏)、表紙はゲイリー・ニューマン。何より目立つのはポール・マッカートニー逮捕の顛末。「日本滞在全記録」「余波」「英国人ライターの目に写った逮捕事件」の3段階に分け分析。この他スティングvs甲斐よしひろ対談、ホール&オーツやクリスティン・マクヴィー&スティーヴィー・ニックスのインタヴューなど。表紙/目次で時代背景も確認しつつ、志村さんの原稿をお読みになってください(タップ/クリックで拡大できます)。
◾️同号アルバム評ページ、その他の掲載作品(※太字は志村けんさん執筆分)
マッドネス『ワン・ステップ・ビヨンド』、ボビー・コールドウェル『ロマンティック・キャット』、ザ・ブラザーズ・ジョンソン『ライト・アップ・ザ・ナイト』、ダニー・コーチマー『危険な遊び』、インメイツ『ファースト・オフェンス』、ジルベルト・ジル『レアルシ(輝き)』、フォクシー『パーティ・ボーイズ』、シェリル・リン『イン・ラヴ』、ピーター・グリーン『虚空のギター』、林 子祥『YMCA好知己──Hit Pops中国語盤』、甲斐バンド『100万$ナイト(武道館ライヴ)』、シェール『地獄からの誘惑』、ユートピア『アドヴェンチャーズ・イン・ユートピア』、ザ・ナウ『恋のリアクション』、ザ・ツーリスト『リアリティ・エフェクト』、パブリック・イメージ・リミテッド『メタル・ボックス』、デイヴィッド・ゲイツ『もう一度』、プリテンダーズ『愛しのキッズ』、Various Artists『ビジネス・アンユージュアル(ZIGZAG誌編集)』、ダムド『マシンガン・エチケット』、プリンス『愛のペガサス』、ミリー・ジャクソン『ミリー・ジャクソン・ライヴ』、リンダ・ロンシュタット『激愛』、リンダ・ルイス『109 ジャマイカ・ハイウェイ』、イエロー・マジック・オーケストラ『公的抑圧』、ロジャー・ヴドゥーリス『ロマンの囁き』
◾️執筆陣
近田春夫、志村けん、ピーター・バラカン、中村とうよう、糸井重里、湯川れい子、福田一郎、木崎義二、大伴良則、藤 吉郎、高橋まゆみ(jam編集長)
【プロフィール】志村けん(しむらけん)
東京都東村山市出身のコメディアン。1950年2月20日生まれ、A型。荒井 注脱退に伴いザ・ドリフターズに加入、間も無く『8時だヨ!全員集合』で「東村山音頭」「ヒゲダンス」などでお茶の間の人気は絶頂に。その後も「バカ殿様」「変なおじさん」といったキャラクターを生み出した。テレビでは『天才!志村どうぶつ園』にレギュラー出演していたが、2020年3月29日、新型コロナウイルスによる肺炎で他界された。享年70。
音楽、特にブラック・ミュージック、ディスコ・ミュージック好きとして当時から広く知られていたことから、弊社『jam』でアルバム評を執筆することに。「ヒゲダンス」のトラックはテディ・ペンダーグラス、「ドリフの早口言葉」はシュガーヒル・ギャング+ウィルソン・ピケットで、いずれも自身によるセレクトであるというエピソードが知られている。また中学時代は熱烈なビートルズ・ファンで、1966年の武道館公演を見に行った逸話を披露したりもしていた。
【追悼企画】志村けんがライターとして執筆した、80年代ブラック・ミュージックのアルバム・レヴュー再掲載
【第8回・ザ・ブラザーズ・ジョンソン『ライト・アップ・ザ・ナイト』】

The Brothers Johnson / Light Up The Night
US:The Brothers Johnson / Light Up The Night
(A&M Records/SP-3716)1980年発売
日本:ザ・ブラザーズ・ジョンソン『ライト・アップ・ザ・ナイト』
A&M(AMP-6073)1980年発売
Side A
1. Stomp!/ストンプ!(6:24)
2. Light Up The Night/ライト・アップ・ザ・ナイト(3:46)
3. You Make Me Wanna Wiggle/おまえにスリル(3:36)
4. Treasure/トレジャー(4:09)
Side B
5. This Had To Be/ディス・ハド・トゥ・ビー(5:13)
6. All About The Heaven/オール・アバウト・ヘヴン(3:59)
7. Smilin' On Ya/スマイリン・オン・ヤ(3:46)
8. Closer To The One That You Love/いつの日か君と(3:11)
9. Celebrations/セレブレイションズ(4:30)
身体を陽気にのせてくれる
ザ・ブラザーズ・ジョンソン『ライト・アップ・ザ・ナイト』A&M(AMP-6073)
1面の “ストンプ” から “おまえにスリル” までとにかくごきげんなサウンドだ。ヴォーカルと管とストリングスがよくコーディネイトされていて迫力のあるものに仕上げてる。B面の “ディス・ハド・トゥー・ビー” は出だしから身体を陽気にのせてくれる。“スマイル・オン・ユー” は南国の香りを漂わせるペットのメロがなんともいえない。とにかく僕はこの手のものが好きで好きでたまらないのだ。


ザ・ブラザーズ・ジョンソン
『ライト・アップ・ザ・ナイト』
CD(2018/6/13)¥915
Recorded at:Kendun Recorders, Allen Zentz Recording, A&M Studios
Mixed At:Kendun Recorders
Mastered at:A&M Studios
Mastered by:Bernie Grundman
Mixed, Recorded by:Bruce Swedien
Engineer[Assistant]:John Van Nest, Ralph Osborn, Randy Pipes, Tim Gerrity
Producer, Arranged By[Backing Vocals, Rhythm, Synthesizer], Backing Vocals:Quincy Jones
Arranged:[Backing Vocals, Rhythm, Synthesizer]Rod Temperton, [Horns, Strings]Jerry Hey, [Rhythm]The Brothers Johnson, [Synthesizer]Johnny Mandel
Art Direction: Chuck Beeson, Glen Wexler
Design Concept[Cover Concept]: Ed Eckstine, Glen Wexler
Illustration:Kurt Triffet
Photography:Glen Wexler
Directed:The Fitzgerald-Hartley Company
Backing Vocals, Lead Vocals, Rhythm Guitar, Lead Guitar:George Johnson
Backing Vocals, Bass, Guitar, Piano[Acoustic], Synthesizer[Prophet 5], Vocals – Louis Johnson
Lead Vocals:Alex Weir
Lead Vocals, Percussion:Richard Heath
Vocal Percussion, Percussion:Paulinho DaCosta
Drums:John Robinson
Electric Piano, Piano[Acoustic], Synthesizer:Greg Phillinganes
Flute, Baritone Saxophone, Soprano Saxophone, Tenor Saxophone:Kim Hutchcroft
Synthesizer, Flute, Alto Saxophone, Tenor Saxophone:Larry Williams
Euphonium, Trombone, Trumpet[Slide], Conductor[Strings]:Bill Reichenbach
Programmed By[Synthesizer], Synthesizer:Steve Porcaro
Flugelhorn, Trumpet:Gary Grant
Flugelhorn, French Horn, Trumpet:Jerry Hey
Horns[Performer]:The Seawind Horns
Backing Vocals:Alex Weir, Augie Johnson, Jim Gilstrap, Josie James, Merry Clayton, Michael Jackson, Richard Heath, Scherrie Payne, Susaye Greene-Brown, Valerie Johnson
John Robinson & Merry Clayton appear courtesy of MCA Records
Paulinho Da Costa appears courtesy of Pablo Records
Richard Heath & Alex Weir appear courtesy of Qwest Records
Steve Porcaro appears courtesy of CBS Records
Scherrie Payne & Susaye Greene-Brown appear courtesy of Motown Records
Augie Johnson appears courtesy of Fantasy Records
Michael Jackson appears courtesy of Epic Records
Written-By – Valerie Johnson, Louis Johnson, Rod Temperton, Louis Johnson , Greg Phillinganes
【プロフィール】
ザ・ブラザーズ・ジョンソン(The Brothers Johnson)
原稿中では “ヒゲ” のことも引き合いに出しつつ、ブラジョンに対する愛が迸っております。これまでの再掲載分ではしっとり歌い上げ系のスロー〜ミディアムに関する言及が多かったように思いますが、こういうアッパーなダンス・ナンバーは格別だったご様子。ストレートな物言いが非常に気持ちいいです。
ということで、今回もお読みくださりどうもありがとうございました。次回・第9回は9月11日(金)正午に公開いたします。どうぞ次回もお楽しみに!

この記事へのコメントはまだありません




RELATED POSTS
関連記事
-
2023.12.07 2023年11月に他界したミュージシャン及び音楽関係者
-
2023.12.06 シェイン・マガウアンの死を惜しむ多くのミュージシャンらによる追悼メッセージ
-
2023.12.06 ウィングス/ムーディー・ブルースのギタリスト、デニー・レインが79歳で死去
-
2023.12.05 エイプリル・ワインのフロントマン、マイルス・グッドウィンが75歳で死去
-
2023.12.01 ザ・ポーグスのフロントマン、シェイン・マガウアンが65歳で死去
-
2023.11.27 キリング・ジョークのギタリスト、ジョーディ・ウォーカーが64歳で死去
LATEST POSTS
最新記事
-
2023.12.08 ザ・ビートルズ「ナウ・アンド・ゼン」大ヒット記念、特設ページ〜関連情報まとめ